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◎ちょっといいお話 先日、某有名自動車会社の営業部長さんが遠方よりご来店 手には使いこまれて縁がすり減った黒水牛の認印が。 「この認印、彫りかえできますか?」とお尋ねになり、そのはんこを差し出されました。 一目見て当店の先代(四代目)が彫ったはんこだとわかります。 懐かしさと同時にこんなに長く愛用してもらってなんて幸せなはんこなんだろうと 嬉しくなりました。 「新入社員の時、大阪支店に配属されて、こちらの主人に認印を彫ってもらおうと相談したら 少し小さめのサイズのこの黒水牛の材料を私に見せて 『お勧めする黒水牛の認印は決して安くはないです。 でもあなたはまだまだ若く、これから30年以上仕事をしても使い続けられるように 私が詰まりにくく欠けにくいよう丁寧に彫ります。 だから、あなたは認印を押すときには、押すべきか否かよく考えてから、押すと決めたときには まっすぐきれいに押すよう心掛けてください。 そして押し終わったら印面を軽く拭いてやってください。 そうすることでとても長く鮮明に押すことができます』 と言われ それでこのはんこを作ってもらったのです。 お聞きした通りはんこを押すときには良く考えてまっすぐ押してきました。」 と話してくださいました さすがに30年経っていますので、縁は減って全体に丸みを帯びていますが きれいに掃除してくださっているようで詰まりもありません。 もともと良い素材なので30年経っていても勿論改刻(彫りかえ)ができます。 「彫りかえの料金は新品の4割引です」と説明すると、お客様は 「新品でも30年前とちっとも値段が変わってないのですね。」と驚かれましたが 愛着のあるこのはんこを彫りかえることにされました。 このことを先代に話すと 「ああ、あの人のことは覚えてるよ。ちゃんと説明を聞いてくれて使ってくれはったんやな。 出世しはって良かったなあ」 と目を細めていました。 機械彫りなんか無い時代、ほんとに大事なはんこを 丁寧に夜なべして彫っていた先代の背中を思い出したのです。 トップページに戻る |